# AnthropicとVercelのエージェント基盤、対応関係を整理する

> Claude Agent SDK・Claude Managed Agentsと、Vercelのeve・Workflows・Sandbox・Connect。似た層の製品が別々の語彙で出てきたので、公式ドキュメントをもとに1枚の見取り図に整理しました。

- 公開日: 2026-07-06
- 著者: 村井 謙太
- タグ: AIエージェント, Claude, Vercel
- URL: https://tech.anycloud.co.jp/articles/claude-vercel-agent-stack

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エージェント開発の関心が「作れるか」から「本番でどう動かし続けるか」に移るなかで、2026年に入ってAnthropicとVercelが相次いでその基盤を揃えました。Anthropicは4月に[Claude Managed Agents](https://claude.com/blog/claude-managed-agents)を、Vercelは6月のShip 26で[eve](https://vercel.com/blog/introducing-eve)と周辺サービスを発表しています(Ship 26の全体は[まとめ記事](https://tech.anycloud.co.jp/articles/vercel-ship-26/)に書きました)。

似た層の製品が別々の語彙で出てくると、どれとどれが対応するのかが分かりにくくなります。この記事では両社の公式ドキュメントをもとに、コンポーネントの対応関係を1枚の見取り図に整理します。

## 両社のスタックを並べる

エージェント基盤は、おおまかに「ハーネス(エージェントループ)」「セッションの永続化」「コードを実行する隔離環境」「外部サービスの認証」「モデル」の5層に分けられます。両社の製品をこの層に置くとこうなります。

![AnthropicとVercelのエージェント基盤の対応図。最上段は完成品のエージェント(Claude CodeとVercel Agent)。ハーネス層はAgent SDK/Managed Agentsのハーネスとeve、永続セッションはセッションログとVercel Workflows、実行環境はクラウドサンドボックスとVercel Sandbox、認証はcredential vaultとVercel Connect、モデルはClaude固定とAI Gatewayが対応する](./agent-stack-map.webp)

いちばん上の「完成品のエージェント」は基盤そのものではなく、その上に作られた応用です。Ship 26で発表されたVercel Agent(本番を監視して修正PRまで出す)は[eveとこの基盤の上に構築されていて](https://vercel.com/blog/vercel-ship-2026-recap)、Anthropic側でいえばClaude Codeが近い立ち位置になります。

| レイヤー | Anthropic | Vercel |
| --- | --- | --- |
| ハーネス | Claude Agent SDK(自前運用)/ Managed Agents(ホスト) | eve(OSS、コードで書く) |
| 永続セッション | Managed Agentsのセッションログ | Vercel Workflows |
| 実行環境 | クラウドサンドボックス(セルフホスト可) | Vercel Sandbox |
| 外部サービスの認証 | credential vault | Vercel Connect |
| モデル | Claude | AI Gateway(任意のモデル) |

## Anthropicは縦統合、Vercelは部品の組み合わせ

同じ層を埋めていても、パッケージングの哲学は対照的です。

Anthropicの[Claude Managed Agents](https://platform.claude.com/docs/en/managed-agents/overview)は、ハーネス・セッションログ・サンドボックス・credential vaultを1つのAPI製品に縦統合したホスト型ランタイム(ベータ)です。エージェントはコードではなく、モデル・プロンプト・ツール・MCP・スキルをAPIで設定して定義し、イベントを送って対話します。

[エンジニアリングブログ](https://www.anthropic.com/engineering/managed-agents)はこの構造を「脳(Claudeとハーネス)と手(サンドボックスとツール)の分離」と説明しています。脳とセッションログはAnthropic側に置かれる一方、手であるサンドボックスだけは自社インフラにも置けます。

ハーネスを自分で動かしたい場合は[Claude Agent SDK](https://code.claude.com/docs/en/agent-sdk/overview)という選択肢もありますが、その場合は永続化もサンドボックスも自分の仕事になります。

Vercelの[eve](https://vercel.com/docs/eve)は、コードで書いてデプロイするOSSフレームワークです。指示やスキルはMarkdown、ツールはTypeScriptという書き味はAgent SDKに近く、配管はドキュメントに明記されているとおりVercelのプラットフォームサービスが担います。

内訳は、永続セッションがVercel Workflows、コード実行の隔離が[Vercel Sandbox](https://vercel.com/docs/sandbox)([Firecracker](https://github.com/firecracker-microvm/firecracker) microVMの汎用的なcompute primitiveで、eveと独立に単体でも使えます)、外部サービスの認証がVercel Connect、モデルがAI Gateway経由で任意です。同じ問題を「フレームワーク+独立した部品」の形で解いています。

## どちらで組むか

Vercel側を選ぶことは「Claudeへのロックインを避ける」というより、「モデルのロックインをプラットフォームのロックインに交換する」取引だと思います。

ただし逃げ道の広さは違います。Managed Agentsはサンドボックスだけ自社に置けるものの、ハーネスとセッションはAnthropicに預ける前提です。eveはハーネスがOSS(Apache 2.0)で、ローカルはDockerでも動きます。

もう1つの軸は、いまの資産がどちらの語彙で溜まっているかです。Claude CodeやAgent Skillsで社内の知見が溜まっているチームは、Anthropicスタックなら概念がそのまま通じます。フロントをVercelに置いているプロダクトなら、eveは同じデプロイフローに乗ります。

## 所感

整理してみて面白かったのは、層の切り方が両社でほぼ同じだったことです。ハーネス、永続セッション、サンドボックス、クレデンシャル。エージェントを本番で動かすための共通アーキテクチャが、会社をまたいで固まりつつあるように見えます。

どちらを選んでも「Markdownの指示+型付きツール+隔離実行」という作り方は共通なので、いま書いているエージェントの資産はどちらに転んでも無駄になりにくいはずです。Vercel Sandbox、Workflows、Connectといった個々の部品は、それぞれ別の記事で掘っていくつもりです。
