資料や書籍を30秒でAI化 - NotebookLMのすすめ -

資料や書籍を30秒でAI化 - NotebookLMのすすめ -

Anycloudの村井です!

本や膨大な資料を読んでいて、手っ取り早く知りたい情報だけ知りたい、誰かに解説をしてもらいたいと思うことはありませんか?

本記事ではそんな人に最適なNotebookLMというツールを紹介します!

NotebookLMとは?

NotebookLMはGoogleが開発するリサーチアシスタントAIで、URLやPDFなどの資料をアップロードするだけで、AIが資料のことをなんでも答えてくれるようになります。

NotebookLMの特徴

NotebookLMの特徴を4つ解説します。

1. 無料で使える

初期テスト段階ということで現在(2024/07/26時点で)無料で使えます。

今のうちにたくさん活用しちゃいましょう!

2. Gemini 1.5 Proを搭載

Googleが開発しているGemini 1.5 Proを搭載しています。

Gemini 1.5 ProはGPT-4oと同等かそれ以上の性能を持つと言われています。

3. 様々なソースをアップロード可能

Google Driveのドキュメントやスライド、PDF、テキスト、ウェブサイトのURLなど、様々な種類のファイルをアップロードできます。

アップロード元

4. 大容量かつ複数のソースをアップロード可能

ソースの文字数として50万文字までアップロード可能です。

文庫本や新書、ビジネス書などはだいたい10万文字前後なので、余裕で本一冊アップロードできちゃうわけです…!

さらに1つのNotebook内で複数ソースのアップロードにも対応しているので、本を数冊アップロードして、それらを全部読み込ませたAIを作ることも可能なんです。

実際に使ってみる

説明はここまでにして、早速使い方を見ていきましょう。

https://notebooklm.google.com/ からNotebookLMを使うことができます。

Googleアカウントがあればなにも登録などせず始められます。

初期画面はこんな感じで、いくつかサンプルがおいてあります。

ホーム画面

サンプルを使ってみる

サンプルを開いてみるとソースアップロード済みのノートブックをいきなり使うことができます。

ただしサンプルの資料が英語でとっつきづらいので注意。

画面下部の入力欄からAIに質問することができます。

ノートブック画面

このノートブックはソースとしてNotebookLMの使い方や特徴が登録されているようなので、とりあえずNotebookLMのことを日本語で聞いてみました。

チャット画面

英語のソースではあるものの、ちゃんと日本語で答えてくれていますね!

ドキュメントを読み込まなくてもさっと知りたい情報を知ることができました。

ノートブックを新規作成してみる

サンプルだと実際の使用感がわかりづらいので、ゼロからノートブックを作ってみます。

新規作成ボタンを押してみると、アップロード用の画面が出てきます。

新規ノートブック作成

今回はNotebookLMに関するこちらの解説記事を使わせていただきました。

https://note.com/doerstokyo_kb/n/n7edcc6bd70bf

早速URLを入れてみます。

ソースのアップロード

10秒ほど待つとノートブックガイドが作成されました。

いきなり概要を出してくれているのと、質問候補を提示してくれます。

概要の精度はかなり高いです。

資料アップロード直後の画面

ChatGPTを使っているとこちらから質問を投げかけないといけないので、このようにデフォルトで情報を表示してくれたり質問候補を出してくれるのはありがたいですね。

適当に「質問の候補」から選択してみました。

質問を選択するとチャット画面が表示されます。

質問候補を選んでみた

回答がでてきました。内容はいい感じです。

他の質問候補も出してくれるので自分で考えなくてもぽちぽちするだけで理解を深められます。

その情報本当か?と思ったときは回答内の①のようなボタンを押してみましょう。

そうすると引用元のソースが表示されます。

回答の根拠を表示

また、回答の右上のピンボタンを押すと回答を保存することができます。

時間がたってからノートブックを再度開くと過去のチャットが消えてしまうので、残しておきたいものはピンしておきましょう。

回答を保存するにはピンボタン
回答が保存される

ちなみにNotebookLMはアップロードしたソースに記載されてない情報は答えてくれません。

このあたりは汎用的なChatGPTなどと使い分けるといいと思います。

ソースに載ってない情報は回答してくれない

デフォルトの生成メニューがすごい

ノートブックを作成すると、以下のような生成メニューが表示されるのですが、これらがかなり使い勝手いいです。

生成メニューはノートブックガイドにあります。

ノートブックガイドを開く
ノートブックガイド

「よくある質問」を押してみると、FAQが作成されました。

ドキュメントの主題に関して読者が気になるであろう点とその回答をまとめてくれています。

よくある質問を作成

特に便利なのが「学習ガイド」。

これを押すと、一瞬で資料に関する問題集が作れます。

学習ガイドを作成

クイズ解答もちゃんと作ってくれます。

社内教育用の問題文作成や教育分野でも大活躍しそうです。

文章の改善タスクも依頼できる

主にリサーチアシスタントとしての側面が強いNotebookLMですが、資料の改善などのお手伝いもしてくれます。

試しにエニテックの解説記事(リンク)をアップロードして、改善点をあげてもらいました。

文章改善点をあげてもらう

文体の改善もちゃんと提案してくれます。

ライティングのサポートAIとしてかなりありがたい。

文体の改善もしてくれる

回答は毎回小さめのボリュームなので、もっと提案がほしいときは追加でお願いすると応えてくれます。

追加で提案を依頼

実際エニテックの開設記事に関してはかなりNotebookLMにサポートしてもらいました!

ありがたすぎる。

NotebookLMの良い点、注意点

ここまでは使い方を見てきましたが、実際色々な用途で使ってみた所感を書いていきます。

良い点

  • とにかく簡単、手軽

Googleアカウントだけあればすぐに始められるのが魅力です。

また、ChatGPTの場合基本ユーザー側で質問を考える必要があり、それが意外に大変だし、使いこなしきれない理由の一つだと思います。

NotebookLMなら初見でも質問候補をどんどん出してくれるので、質問を自分で考えなくてもポチポチ押しているだけでいい感じにAIと対話できます。

  • 1画面内で資料に関する色々な操作が可能

ChatGPTの場合チャット形式のみなので会話が流れていってしまいます。

NotebookLMの場合リサーチアシスタントとしてユーザー体験が作り込まれており、メモを保存できたり、保存したメモに対してさらに追加で質問できたりと、多角的に資料に関して理解を深めやすくなっています。

  • 回答の根拠を確認できるので安心

ChatGPTを使っているとわかると思いますが、嘘の情報を時折言ってくるので、結局自分で事実確認をする必要があるケースも多いです。

NotebookLMも嘘というか間違った解釈を出力してしまうことはありますが、常に回答の根拠として引用元を提示してくれるので、怪しいなと思ったらすぐに自分で確認しにいけます。

  • ソースが本レベルになっても回答が速い

10万文字程度の本もアップロードしてみましたが、回答速度はほぼ変わらず。

5秒 ~ 15秒ぐらいで回答でてきます。

  • スマホでも使える

スマホでも画面自体は使いやすいようにできてます。

ただし生成メニューなど一部機能が使えません。

チャットによる質問は普通にできるので、AIに対して質問したいことが決まっている場合はスマホでも十分でしょう。

スマホでも使える

注意点

  • 人間のレビュアーに見られる可能性はある

NotebookLM開始時に以下の画像の旨が表示されます。

NotebookLMにアップロードした内容はトレーニングには使用されませんが、Google内部の人間に見られる可能性があるそうです。

機密情報はアップロードしないように気をつけましょう。

機密情報はアップロードしないように注意
  • チャット履歴は消えるので、残したい回答は必ずピンする

チャット履歴は画面を一度閉じたり、時間がたつと消えてしまいます。

残したい回答は必ずピンして保存しましょう。

  • PDFは事前にOCR処理が必要

PDFをアップロードする際、スキャンした資料などでOCR(文字認識)できていない資料だとうまく動きません。

OCR用のソフトなどであらかじめOCRしておきましょう。

  • 200MB以上のファイルはアップロードできない

200MB以上のファイルはアップロードできないため、分割するなどして工夫しましょう。

  • 将来有料になる可能性あり

現在はテスト版ということで無料で使えますが、将来的に有料になる可能性は高いと思います。

NotebookLMの仕組み、RAGについて

最後に、NotebookLMの関連技術であるRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)に関して説明させてください。

RAGというのは生成AIに対して外部情報を食わせる手法です。

生成AIはリアルタイムな情報や学習してない情報に関してはうまく答えられないことがあります。

RAGを使って外部情報を食わせるとことによって生成AIがそれらの内容も答えられるようになります。

従来RAGをエンジニアが実装すれば、NotebookLMのようなAIを作ることは可能でした。

ただし、PythonのコードでPDFを読み込んで、テキストを抽出し、それをベクトル化したうえで、質問文のベクトルと近似するベクトルを抜き出して…など一見難しい手順が必要でした。

それがNotebookLMによって超簡単かつシンプルで使いやすいUXによって提供されていることが価値として大きいと感じます。

さいごに

NotebookLM、本当に簡単に使い始められるのでまずはぜひ触ってみてください。

次回の記事で実際に読書体験をしてみたのでこちらも参考に!

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記事を書いた人

村井 謙太

代表取締役

村井 謙太

Twitter

東京大学在学中にプログラミング学習サービスのProgateを立ち上げ、CTOとしてプロダクト開発に従事。 Progate退任後に株式会社Anycloudを立ち上げ、現在は多数のクライアントの技術支援を行っている。