SMARTでアジャイルな目標設計

SMARTでアジャイルな目標設計

最近個人的にも会社経営的にも目標設計の重要性を感じることが多いのでアウトプットしてみる。

迷いがあるフェーズのしんどさ

仕事を進めていると、時に迷いのフェーズに突入することがある。このフェーズでは、目の前のことに集中できず、パフォーマンスや成果が思うように出ないことが多い。結果として充実感も薄れ、ただ時間だけが過ぎていく感覚に陥る。

特に厄介なのは、「悩んだ挙げ句解消されたかのように感じたのに、翌日になったら再び悩む」という堂々巡りの状態である。このサイクルを繰り返すと、心身ともにエネルギーが消耗していく。

SMARTな目標設定

こんな時こそ、会社、チーム、そして個人の目標を設定し直すことが鍵となる。迷いがなくなり、自分が頑張るべきことがわかっていれば眼の前のことに没頭できる。目標に向かって努力するプロセスそのものが、本質的な充実感をもたらす。

ただし目標が抽象的であると、結局実行フェーズで迷いはつきまとう。達成したかも曖昧で達成感も得づらい。

目標を効果的に設定するためにはSMART目標を設定する。SMARTとは以下の5つの要素を指す。

  • Specific(具体的): 目標が曖昧ではなく、明確に定義されていること。
  • Measurable(測定可能): 成果を測るための指標が設定されていること。
  • Achievable(達成可能): 現実的に達成可能な範囲であること。
  • Related(経営に関連している): 組織やプロジェクトの目標と関連していること。
  • Time-bound(期限がある): 目標達成の期限が明確であること。

5つの内ひとつでも欠けていると目標の効果が薄れてしまうので注意する。

アジャイルな目標設定

SMART目標を定めるときにはその適用範囲、期間と目標の抽象度の関係性に注意する。

目標に関わる人数が多いほど、目標の期間が長くなるほど、その目標は抽象的であってよいと考えている。未来は常に不確実であり、特に大人数を巻き込んだ目標設定では、間違った目標を掲げてしまうとダウンサイドも大きくなり、リスクが高くなる。

このような不確実性が高い中で緻密な目標設計に時間を費やしても、結局早い段階で目標が頓挫してしまう可能性が高い。

一方、短期的で少人数の目標であれば、SMARTの原則に沿ってより具体的で達成可能なものにすることが可能である。影響範囲も小さいので最悪間違っててもよく、スピーディに目標を決定できる。

したがって、目標設定においては、対象となる範囲や期間に応じて抽象度を適切に調整することが求められる。

目標設定はあくまで仮説に基づくもの。そのため、長期的な目標は抽象度を一定もたせて、軸となるような存在であることが重要。逆に短期な目標ほど具体性を持たせて状況に応じて動的に変更していくことが重要である。アジャイル開発のようにどんどん仮説検証を積み上げていく。

例えば2週間目標や1ヶ月目標に関してはSMART目標として具体性を上げ、四半期 ~ 年単位の目標は抽象度をだんだん上げていくような運用が考えられる。目標管理サイクルは2週間ほどでまわして、スピーディな目標決定、迷いなき実行、振り返り、次なる目標設計を繰り返そう。

このように、長期的な軸を持ちながらも状況の変化に即座に対応できる仕組みを持つことで、持続的な成長と充実感を得ることができる。

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記事を書いた人

村井 謙太

代表取締役

村井 謙太

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東京大学在学中にプログラミング学習サービスのProgateを立ち上げ、CTOとしてプロダクト開発に従事。 Progate退任後に株式会社Anycloudを立ち上げ、現在は多数のクライアントの技術支援を行っている。